鼓笛隊の襲来

三崎亜記の「鼓笛隊の襲来」を読了。


この本は、

  • 鼓笛隊の襲来

  • 彼女の痕跡展

  • 覆面社員

  • 象さんすべり台のある街

  • 突起型選択装置(ボタン)

  • 「欠陥」住宅

  • 遠距離・恋愛

  • 校庭

  • 同じ夜空を見上げて


の9つの小説が収められた短編集だ。
三崎亜記の小説を初めて読んだが、どの話もアイデアがすごい。この本は直木賞の候補になったそうだが、それも頷ける。




「鼓笛隊の襲来」の感想。(ネタバレあり)


映画「船を編む」を観たので、その原作を読もうと図書館に行き三浦しをんの棚を見たら無い!どこかに紛れ込んでいるに違いないと周りを見渡しているうちに見つけたのが「鼓笛隊の襲来」。

「鼓笛隊の襲来」


鼓笛隊がまるで台風のように押し寄せるなんて発想がすごい。それに対抗するにはより大音量のオーケストラ!なんとも馬鹿馬鹿しい話だ。だが人々は真剣に避難し、大騒ぎしている。それに対しておばあちゃんの冷静さがなんともよい。鼓笛隊は台風でも軍隊でもないのだ。上手にやり過ごすのが一番。

「彼女の痕跡展」


記憶はないけど喪失感だけある。いやだなぁ。ジム・キャリーの「エターナル・サンシャイン」を思い起こさせる話だ。

「覆面社員」


もし、覆面法があれば、グレート・サスケも苦労しなかっただろうな、と思う。覆面レスラーには正体がバレバレな選手も多いのだが、なぜかマスク剥ぎには強硬に抵抗する。その心理を一般の人にマスクを被せることで普遍化した作品(笑)。化粧を落とした姿を絶対に人には見せない女性にも当てはまる話かもしれない。化粧やマスクが、いつの間にかその人の一部になってしまうのだ。素顔のままがよいのだけどな。

「象さんすべり台のある街」


象さんすべり台の象が本物だったら、という話。本物ゆえに子供に人気がないって、ありそうだ。ぬいぐるみは可愛いけど、実物はそうでもないものって結構たくさんあるし。象の悲哀の物語。

「突起型選択装置(ボタン)」


「見えない部分に押し込められているだけ」の出来事って(特に日本では)たくさんあるような気がする。原爆資料館の人形の件もそういうことなんだろう。オリンピックという華やかなものの陰に、まだ収束できない原発事故があるようなものだ。

「「欠陥」住宅」


これも「人は見たいものだけを見ているのだろうか?」という話。

「遠距離・恋愛」


ひとりの生け贄、犠牲、で成り立つ社会ってどうなんだろうか?

「校庭」


これも、「欠陥」住宅と同じような話だ。自分がみんなから見られなくなる怖さを描いている。

「同じ空を見上げて」


物悲しい話。自分が二度と戻れない異次元の世界へ行ってしまったら、恋人にずっと待っていて欲しいだろうか?



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